アメリカとイランが戦闘終結に向けた「覚書」に署名して半月余り。現在の状況はど
うなっているのか。イランは、夏までの制裁緩和という成果を獲得して、石油の輸出は早くも増加し始めている。
凍結資産の解除についても約束を取り付けた。
一方、覚書が交わされた最大の目的だったホルムズ海峡の開放についてはどうか。
同海峡は完全に閉鎖された状態ではなくなった半面、完全に開放されてもいない。
ホルムズ海峡の海上交通は、毎日100隻を軽く上回る船舶が通航していた戦争前の水準を取り戻すにまで至っていないが、この1週間は毎日40隻ほどの船舶が海峡を出入りしている。
過去数カ月に比べれば大幅な増加だ。原油価格も1バレル=70ドル前後まで下がっている。
しかし、いまホルムズ海峡を通航しているタンカーの多くはイランのものだ。対米交渉を率いるイランのガリバフ国会議長は6月30日、覚書の署名以降、4000万バレルの原油を輸出したと述べた。これは戦争前に輸出していた量を上回るペースである。
ただし、イラン産原油の販売を認めるアメリカ政府の制裁猶予措置は、8月21日までの時限的なものだ。このように先行き不透明な状況では、ほとんどの国や金融機関、石油精製業者がイランとの取引に及び腰になっている。
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