Florence Tan Chen Aizhu
[シンガポール 2日 ロイター] - サウジアラビア東部のペルシャ湾岸に位置するラスタヌラ港で積み込まれた計1000万バレルのサウジ産原油を運ぶ少なくとも5隻の超大型タンカーが、ホルムズ海峡を通過したことが貿易関係者の話や船舶追跡データで明らかになった。一方サウジ国有石油会社サウジアラムコは、アジアでの販売を加速させるため価格設定を長期契約方式からスポット価格に切り替えている。
いずれからもサウジが原油売却を活発化させている様子がうかがえる。
サウジアラムコは約4カ月停止していた世界最大の石油港であるラスタヌラからの積み込みを再開。アジア向けの積み込みと出荷を拡大させており、これが供給過剰に拍車をかけたため3月に1バレル=120ドル近辺だった北海ブレント原油先物価格を70ドル前後に押し下げる要因となっている。
複数の貿易関係者に話を聞くと、サウジは国営海運会社所有船を使用して貨物を運ぶだけでなく、供給者間の競争が激化する中で需要を呼び込むため、アジアの顧客に対してスポット価格ベースで原油を提示したという。
背景には、湾岸諸国の主要産油国の中で、サウジはペルシャ湾内からの輸出を再開した時期が比較的遅かったという事情もある。
アラムコは通常、毎月設定される公式販売価格(OSP)に基づいた長期契約を通じて石油を販売している。しかし6月初旬に設定された7月積みアジア向けOSPは1バレル=6ドルから10ドルのプレミアムが乗せられた。一方で米・イラン交渉の進展を受け7月から8月にかけての他の中東産原油の販売価格はディスカウントに転じており、大半の製油所は8月分までの原油をすでに十分に確保している。
こうした中で関係者の1人は、7月積みの原油600万バレルがアラムコの通常のアジア顧客に提示されたと述べ、別の関係筋はこの価格設定が中国の買い手にとって「非常に魅力的」だったと説明した。
さらにトレーダーからは、アラムコが8月のOSPを大幅に引き下げるとの観測も出ている。
ホルムズ海峡を離れた5隻の超大型原油タンカーのうち、2隻は日本へ、別の2隻は中国へ向かっていることが、LSEGとケプラーの船舶データで明らかになった。
また別の4隻の超大型原油タンカーがラスタヌラ港の近くに位置しており、そのうち3隻は積み込み待ち、1隻は積荷を終えた状態であることも示されている。