Nate Raymond
[ボストン 2日 ロイター] - 米連邦控訴裁判所(高裁)は2日、トランプ政権が国立公園から撤去した奴隷制や気候変動に関する展示物を巡り、再設置を命じた下級審の判断を一時的に差し止めた。
政権は「過去または現在の米国人を不適切に中傷する」展示を標的にした大統領令に基づき、数十点の展示物を撤去。公園保護活動家や歴史家、科学者を代表する団体がトランプ大統領の理想に合致しない米国史の一面を抹消することを目的とした組織的な検閲だとして提訴し、地裁が再設置を命じていた。
しかし高裁は、原告側が回復不能な損害を受けることを立証できていないとして、政権側が控訴している間、地裁判断を一時的に差し止め、控訴審では政権側が勝訴する可能性が高いと述べた。
リベラル系擁護団体「デモクラシー・フォワード」に所属する原告側の弁護士ブルック・メンシェル氏は、今回の判断について、遺憾だとしつつ、政権の措置が合法かどうかという問題について裁判所が判断を下さなかったことから「一時的な手続き上の後退」との見方を示した。
メンシェル氏は「残念ながら当面、この判断により政権は、数百万人の来場者がわが国の歴史を理解する上で不可欠な解説資料の撤去や改変を続けることが可能になる」と述べた。