Makiko Yamazaki Tamiyuki Kihara Leika Kihara

[東京 2日 ロイター] - 事情に詳しい複数の関係者によると、日本政府は、投機的な為替円安への介入姿勢そのものは崩していない。約40年ぶりの円安進行に対するけん制発言(口先介入)は手控え気味だが、円売りを仕掛ける投機筋に痛手を負わせる狙いも透ける。

財務省によると、4月28日から5月27日にかけ実施された為替介入は11兆7349億円だった。三村淳財務官が異例の退避勧告を行った4月30日とみられる為替介入時には、介入が強く示唆されたため、投機筋は損失を回避することができたとの指摘がある。

一方、今後実施される可能性もある為替介入では、そうした機会が与えられるかどうかは微妙だ。

日本政府は「いつでも適切に対応する」とし、大型連休中とみられる累次の為替介入以降も、投機的な動きに対処する姿勢は崩していない。ある関係者は「介入のタイミングは難しい。目的は投機筋に大きな打撃を与えることにあるため、必要とあれば当局は介入に踏み切るだろう」としている。

別の関係者もロイターに対し、同様の見解を示した。

ただ、今後介入が行われる場合には、4月30日に行われたような強い警告は発出されない可能性がある。

直近では、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方をうらなう上で注視される米雇用統計が2日に発表され、その後の市場動向が注目される。投機的な円の売り持ちが急速に積み上がれば、突如として介入が実施される可能性もあると、関係者の1人は語る。

政府・日銀は、引き続き円安への警戒を崩していない。

別の関係者2人によると、日銀は、今後も利上げを継続する姿勢を強調するとみられる。円安に伴う輸入コストの上昇や、イラン情勢を背景とした燃料価格の高騰がインフレリスクを高めていることが背景にある。

日銀の佐藤綾野審議委員は、6月30日の就任会見で、為替について、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで「以前に比べ、為替変動が物価に与える影響が大きくなる可能性もある」と指摘。予想物価上昇率を通じて基調物価に影響を及ぼす可能性に留意して、為替動向をしっかり見極めていく必要があると述べた。

日銀が1日に発表した6月短観では、大企業の景況感は製造業、非製造業ともに小幅悪化を見込んだ事前予想に反して改善。​製造業は人工知能(AI)・半導体需要や価格転嫁の進展を支えに5期連続で改善、業況判断指数(DI)は2018年3月以来の高水準‌となった。

非製造業は5期ぶりに改善し、91年8月以来の高水準を記録。企業の価格設定スタンスを映す販売価格判断DIは前回を大幅に上回り、コストを価格に転嫁する構図が改めて浮き彫りになっている。

今後のドル/円相場の行方を見通す上では、為替介入以上に、日銀の利上げペースが重要になるとみる市場参加者も少なくない。

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