Saqib Iqbal Ahmed
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXを巡り、空売り筋が上場後の株価下落再開に賭ける動きを強めており、現在、流通株式の3分の1近くが空売りされている。ただ、こうした賭けにより、空売り筋はすでに巨額の含み損を抱えている。
大規模な空売りポジションは株価変動をさらに増幅させる可能性がある。データ・分析会社オーテックスの試算では、スペースX株が1ドル動くごとに、空売り筋には約2億ドルの利益または損失が発生する。
空売りは借りた株を売った後に値下がりしたところで買い戻して利益を得る取引。スペースX株が6月12日の上場後数日間で最大23%下落し、こうした取引が活発化している。
オーテックスのデータによると、空売り残高は6月30日時点で1億9600万株となり、浮動株の約31%に達した。1週間前は約8300万株(浮動株の13%)だった。
オーテックスの共同創業者ピーター・ヒラーバーグ氏は「(空売りポジションの増加は)上場から1カ月足らずの銘柄としては異例だ」と指摘した。
スペースXの時価総額は2兆ドルを超えており、割高な株価に懐疑的な空売り筋の標的となっている。ただ、個人投資家や機関投資家の旺盛な需要に加え、マスク氏がこれまで空売り筋と公然と対決してきた経緯もあり、リスクの高い賭けでもある。スペースXはコメント要請に直ちに応じなかった。
オーテックスの試算では、スペースX株の空売り筋は新規株式公開(IPO)以降、約7億6000万ドルの含み損を抱えている。
ヒラーバーグ氏は、空売り残高の規模を踏まえると、スペースX株がさらに上昇した場合、ショートカバーが入り、株価を一段と押し上げる可能性があると指摘した。