[ムンバイ 30日 ロイター] - インドの4-6月期の株式、債券市場とルピー相場は、イランでの戦争によって打撃を被った後、徐々に持ち直しの兆しを示した。
エネルギーを輸入に依存するインドは、戦争の影響への懸念からルピーが過去最安値を記録。国債利回りは上昇し、株価は落ち込んだ。
しかしインドは為替相場の安定とドル資金の流入を狙い、外国人の借り入れと預金にインセンティブを提供するとともに、外国人の国債投資に関する税金撤廃と規則緩和を実施。米国とイランが戦闘停止で合意したことに加え、こうした政策変更によりインド資産の負のスパイラルは止まった。
ルピーは過去最安値から約2%回復し、10年物国債利回りは四半期中のピークから40ベーシスポイント(bp)余り下落、主要株価指数のNSE指数は4月に付けた1年ぶり安値から8%持ち直した。
DBSのシニアエコノミスト、ラドヒカ・ラオ氏は「米・イラン紛争の中、インドの対外収支は2027年度に3年度連続で赤字を記録する見通しだった」が、「停戦合意が結ばれ石油価格が急激に是正されたため、今では黒字を予想している」とノートに記した。
アナリストらはインドの成長率予想を引き上げる一方、インフレ率予想を引き下げ、株価見通しを上方修正している。インド株は低調な企業利益と人工知能(AI)投資の少なさが原因で、台湾および韓国の株価をアンダーパフォームしていた。
資金流出と石油価格高騰に起因する通貨安が主な圧迫材料だったが、今ではそれが追い風に転じたと指摘されている。
また、外国人投資を巡る規制緩和と、世界株価指数への組み入れ期待がインド債を支えている。10年国債利回りは4―6月期に32bp低下し、2020年1―3月期以来で最大の下げ幅となった。
清算機関のデータによると、外国人投資家は6月にインド国債を30億ドル近く買い越し、月間買い越し額として過去最高を記録した。
ただ、投資家の楽観ムードは限定的だ。
PGIMミューチュアル・ファンドの債券責任者、パニート・パル氏は「債券利回りは急低下したが、10年国債利回りが6.70%割れ水準を維持するとは予想していない。世界中の中央銀行が金利を上げているほか、モンスーンの降雨量が平年並みを下回る状態が続いているからだ」と述べた。
グローバルなファンドマネジャーらの話では、インド株の上昇が続くかどうかは依然として企業収益次第だ。またインド準備銀行(中央銀行)は新たな流入資金を吸収して外貨準備の再構築に充て、大幅なルピー高は容認しない可能性がある。