Greg Bensinger
[サンフランシスコ 30日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コム は30日、クラウド事業アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)内に新しい部署を設立すると発表した。この部署には「フォワード・デプロイ・エンジニア(現場配備型エンジニア)」と呼ばれる人材が配置され、顧客の組織に深く入り込むことで、人工知能(AI)ソフトウエアのより迅速かつ効率的な導入を支援する。
AWSのフロンティアAIエンジニアリング・サービス担当バイスプレジデント、フランチェスカ・バスケス氏によると、同社はこの取り組みに初期費用として10億ドルを投じる。5-6人で構成されるエンジニアのチーム(ポッド)を、45日の期間で顧客へ派遣することを目指しているという。
バスケス氏は発表前のインタビューで「自社の作業フローにおいて『エージェンティックAI(自律型AI)』のパターンを本格的に推進したいという顧客から、非常に多くの要望をもらっている」と述べた。
フォワード・デプロイ・エンジニアは、顧客とともに現場で直接働き、社内の政治的な調整を行いながら、モデルが成果を出せるよう本番環境レベルのコードを書く多才な労働者という位置づけだ。
ただパランティア・テクノロジーズは10年余り前から独自のフォワード・デプロイ型エンジニアリング部門を擁しているほか、セールスフォース、アンソロピック、グーグル・クラウドなども同様のサービスを提供しており、アマゾンは立ち後れた面もある。
AIの急速な拡大に伴って人員削減を進めているテック企業において、フォワード・デプロイ型エンジニアリングは数少ない明るい分野。「テック業界で最も需要のある職種の一つになろうとしている」との声も出ている。
今年のリンクトインのレポートによると、2023年から25年にかけて、フォワード・デプロイ・エンジニアや同様の役割の需要は42倍に急増した。
AWSは、新部署に「数千人」の従業員を配置する計画だと述べたが、具体的な数字は明らかにしなかった。一部の役割については社外から採用し、それ以外は社内配置転換で対応する方針だ。
アマゾンによると、初期の顧客には全米バスケットボール協会(NBA)や、事務機器大手のリコーが含まれている。