[シントラ(ポルトガル) 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのドレンツ・スロベニア中銀総裁は30日、エネルギー価格が予想以上の速さで下落していることで政策判断の時間的な余裕が生まれているとし、ECBは9月に公表する四半期ごとの経済見通しを待ってから次の政策対応を決めることができるとの考えを示した。
ドレンツ総裁はECBが主催する中央銀行の国際会議「ECBフォーラム」が開かれているポルトガルのシントラでロイターの取材に応じ「エネルギー市場の足元の状況は数週間前の予想より穏やかなものになっている」とし、「こうした状況が続き、エネルギー価格が現在の水準付近にとどまればECBに行動を迫る圧力は弱まり、適切な政策運営を判断するために9月に公表される新たな経済見通しを待つ余裕が生まれる」と語った。
同時に、ECBは入手される経済指標に基づいて判断していくと言及。市場のボラティリティーがなお高いことを踏まえると、7月の理事会までに見通しが変化する可能性もあると述べた。
また、エネルギー価格がさらに下落すれば物価上昇圧力は一段と和らぐものの、将来的な追加利上げの可能性は残っているとも指摘。「エネルギー価格がさらに低下し、二次的な物価上昇が顕在化せず、このところのエネルギーショックによる間接的な影響の一部が徐々に解消されていけば、追加利上げが不要になるシナリオもあり得る」としながらも、「こうした見方は自分自身の基本シナリオではない。(米国とイランの)交戦で引き起こされたエネルギーショックは未解決で、今後も価格変動が続くと想定しなければならない」と語り、幅広い物価上昇圧力が強まるリスクを踏まえると、注意深く監視する必要があるとの認識を示した。
ECBは6月の理事会で0.25%ポイントの利上げを決定。利上げは2023年9月以来、約3年ぶりだった。現在、ECB当局者の間で追加利上げを7月に行うか、9月まで待つべきか議論が続いている。