[シドニー 29日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は29日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時のように金融・経済危機に見舞われ、政策金利がゼロ近辺まで低下した場合にどのような政策手段を講じる可能性があるかについて概要を明らかにした。
ケント総裁補は講演で新たな枠組みを説明し、主な手段として、ターム物貸出ファシリティー、国債買い入れプログラム、確約を伴うフォワードガイダンス、マイナス金利政策、ターム金利目標、外貨資産の買い入れを挙げた。
実際にどの政策を採用するかは、ショックの性質、持続性、深刻度に加え、経済・金融環境次第になるとした。
同氏は銀行などに対するターム物貸出ファシリティーや国債買い入れについて、幅広い状況で効果を発揮する可能性が高いと指摘。一方、低金利維持の確約を伴うフォワードガイダンスやマイナス金利は効果が不確実なため、一般的により深刻なショックに適しているとした。
債券利回り目標や外貨買い入れも引き続き手段の一部ではあるものの、概して効果が低く、相当のリスクを伴うため、例外的な状況に備えて温存することが望ましいと述べた。
この枠組みは、中銀内で数カ月にわたり議論を重ねた末にまとめられたもので、刺激策の一環として金利が過去最低の0.10%まで引き下げられたコロナ禍の経験を踏まえている。
中銀は当時、市場に流動性を供給するため数千億ドル規模の豪国債を買い入れたほか、借り入れを促すため3年物国債利回りを低水準に維持することを約束した。
国債買い入れにより中銀は債券で多額の評価損を抱えた一方、イールドカーブコントロール(長短金利操作)は2021年後半に突然撤廃せざるを得なくなり、一部投資家に損失をもたらすとともに中銀の信認を損なう結果となった。