400ページ近い長編で、とにかく冗長
私は最近初めて『ロングウォーク』を読んだが、つらかった。400ページ近い長編で、とにかく冗長なのだ。登場人物が多く、動機が分かりづらい上にころころ変わり、妙に性に執着する点も気になった。
無理もない。当時キングは若く、あふれるアイデアを持て余していた。必要なのは、原稿を引き締める方法を教えてくれる編集者だった。設定自体は秀逸だが、『ロングウォーク』を読了するのは苦行だ。そんな原作のあっちを削りこっちをつまんで、映画版は真に心を揺さぶる作品に仕上がった。
『ハンガー・ゲーム』シリーズの2作目以降を手掛けたフランシス・ローレンスが監督を務め、脚本は23年の『ストレンジ・ダーリン』が高く評価されたJ・T・モルナーが担当した。
『ハンガー・ゲーム』と対照的に、作りはシンプル。派手な衣装もクセの強いキャラクターも大がかりなアクションもなしにこれだけ観客を引き込むのだから、見事だ。
映画は終始レースに焦点を当てる。回想や夢のシーンを除けば、私たちが目にするのは10代後半〜20代の若者50人が時速3マイル(約4.8キロ)でひたすら道路を歩き、1人また1人と殺される姿だ(映画化に際し参加者の数や年齢、歩行速度は改変された)。
製作会社ライオンズ・ゲイト・フィルムズは「ルームランナー試写会」を開催し話題をまいた。観客はルームランナーでウオーキングをしながら『ロングウォーク』を鑑賞、時速3マイルをキープできなくなった時点で退場となった。
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