[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミスト、レーン専務理事は23日、中東和平が実現したとしても、ユーロ圏のインフレ率はしばらくの間、ECBの目標である2%を上回り続ける可能性があるとの見方を示した。欧州議会の経済・通貨委員会で述べた。

ECBは今月、3年ぶりとなる利上げを決定した。エネルギー価格は一時の高値からかなり下がったが、金融市場は年内に少なくともあと1回利上げがあると見込んでいる。

レーン氏は、5月に3%を超えたインフレ率が2027年上半期にかけて目標を大きく上回る水準にとどまる可能性があると述べた。

「中東紛争の解決に向けた最近の進展は歓迎すべきだが、不確実性は依然として高く、インフレ率が中期目標の2%をかなり長期にわたって上回り続けるリスクが続く」と指摘した。

しかし、レーン氏の演説に添えられたグラフでは、原油価格は最近の下落により、ECBの「ベースライン」シナリオと「より穏やかな」シナリオの間に収まっている。

ECBのシナリオは次の政策決定に直接影響を与えるわけではないが、より穏やかな展開になれば、ECBが来月にも追加利上げする緊急性は低下する。

市場も7月利上げの確率は5分の1にとどまり、次回利上げが完全に織り込まれているのは12月のみとなっている。

レーン氏は、高インフレとエネルギー価格高騰が経済活動の重しになるものの、堅調な労働市場と人工知能(AI)への大規模な投資を踏まえると影響は抑制されるとした。

さらに、防衛やインフラ向け政府支出の増加が公共投資を下支えするはずだとし、「これらの要因が、紛争の悪影響に対する一定の緩衝材になると予想される」と語った。

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