Stephen Nellis
[サンフランシスコ 23日 ロイター] - 中国は世界最速のスーパーコンピューターランキングで米国を追い抜き首位に立ったが、米クラウドコンピューティング企業のAI(人工知能)に特化したシステムのほとんどはランキング争いをしていないため、この結果は世界的なAI競争における中国の地位を示したものではないと専門家は指摘している。
中国・深センにある国家スーパーコンピューティングセンターの「ラインシャイン」システムは、国内で設計されたチップを使用しており、スーパーコンピューターの世界ランキング「トップ500」(2026年6月版)で首位を獲得した。
中国は10年に初めてトップ500の首位を獲得し、その後23年まで米国や日本と首位を争った。しかし、第1次トランプ米政権、そしてバイデン米大統領の下で実施された半導体・コンピューター関連輸出規制を受け、中国は23年にシステム提出を停止した。そのため、今回は中国にとって3年ぶりのリスト入りとなる。
ラインシャインは前回トップの米「エルキャピタン」を破った。
しかし、ロイターの取材に応じた技術・政策専門家らは、近年のコンピューティング業界の変化やランキング作成方法の違いから、今回の結果は中国がAI作業において世界最速のコンピューターを保有していることを意味するものではないと述べている。ラインシャインは、AIにより近いコンピューター作業をシミュレートするように設計されたベンチマークテストでは4位にランクインした。
専門家らは、今回のランキングにおける中国の勝利は、中国がチップ設計における努力を認められたいという願望の表れである可能性が高く、これは近年とは異なる傾向だと指摘した。
スパコン専門企業インターセクト360リサーチのアディソン・スネル最高経営責任者(CEO)は「それがナンバー1のシステムであることに驚きはない。驚いたのは彼らがそれを提出し、評価を求めていることだ」と語った。
発表された結果の詳細によると、ラインシャインシステムには先端AIチップは搭載されていない。そうしたチップを製造するためのツールが依然として米輸出規制の対象となっているためとみられる。
カリフォルニア大学グローバル紛争協力研究所のシニアフェロー、ジミー・グッドリッチ氏は「中国は輸出規制が無意味だと世界に信じ込ませようとしている」と述べた。