[ロンドン 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は報告書草案で、域内の銀行に自己資本と流動性を確保させる規制を簡素化し、各国の銀行監督当局により大きな権限を与えることを提案した。最終的な報告書は7月発表される予定で、法案は2027年に提出される見通しだ。
現在は重複して実施されている銀行の自己資本規制を簡素化することが狙いだ。実現すれば、融資に充てる資金が拡充される可能性がある。
欧州委は現在、銀行グループの各子会社に自己資本と流動性を確保することを義務付けている。草案では、代わりに銀行グループの親会社レベルでのコンプライアンス(法令順守)に重点を置くことを提案。必要に応じて監督当局が銀行グループの親会社に対して子会社への資産移転を義務付けることができる法的権限の付与も提案した。
欧州中央銀行(ECB)は規制のために銀行グループが子会社に自己資本と流動性を閉じ込めることを強いられているとし、監督当局に対して銀行グループが全体で資本と流動性を管理できるようにするよう求めてきた。業界の推計によると、現在の規制によって約2250億ユーロの資本と、2500億ユーロの流動性が閉じ込められた状態にある。
草案では他に、銀行預金保険制度の構造や、投資会社に対する資本要件を変えることも提案している。
米国が融資促進に向けて資本規制の大幅緩和を進める方針を示している中で、他国も対応を迫られている。欧州銀行連盟(EBF)は、欧州が年間1兆4000億ユーロ(約1兆6200億ドル)もの投資不足に直面していると指摘し、成長支援に向けた銀行与信の促進へ銀行規制の簡素化を求めている。
スペイン銀行協会のアレハンドラ・キンデラン会長は19日、当局が規制を簡素化すれば欧州の銀行セクターは融資を2兆ユーロ超拡大できる可能性があるとの見解を示していた。