Jan Strupczewski

[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳は19日、7月からEU議長国を務めるアイルランドに対し、2028―34年の7年間を対象とする中期予算について、資金の純拠出国と純受益国の対立を和らげるため、新たな財源案を10月までに提示するよう要請した。

EUの予算は、農業支援や先端技術開発、学生交換プログラム、加盟国間の生活水準格差の是正など、幅広い政策に充当されている。

欧州委員会の原案は中期予算の規模を2兆ユーロ(約2兆3000億ドル)としていた。現議長国のキプロスは予算総額の2%削減を提案したが、一部加盟国から削減幅が不十分との異論が出る一方、削減幅が大き過ぎるとの不満の声も上がり、賛否が分かれている。

比較的裕福な加盟国は、予算への拠出額が配分額を上回る「純拠出国」となっている。一方、所得水準の低い加盟国は、配分額が拠出額を上回る「純受益国」。7年ごとに策定される中期予算の成立には加盟27カ国全ての同意が必要で、策定のたびに両陣営の間で激しい駆け引きが繰り広げられてきた。

純拠出国の負担増を抑えつつ、純受益国が求める支出水準を維持するため、EU首脳は加盟国の国庫から直接拠出されない独自財源の拡充を模索している。

コスタEU大統領は会合後の記者会見で「首脳らは、アイルランドに対し独自財源に関する作業を加速するよう要請することで合意した。12月までに予算合意を実現するには、追加的な歳入が欠かせない」と述べた。

新たな財源としては、企業向けに二酸化炭素(CO2)排出枠を販売したことによる収入の一部を充てる案や、EUよりも気候政策が緩やかな国で生産された輸入品に課税する炭素国境調整メカニズム(CBAM、国境炭素税)の一部を活用する案などが浮上している。

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