Nivedita Balu
[トロント 19日 ロイター] - カナダ金融大手トロント・ドミニオン銀行は、金融犯罪対策とリスク管理部門の一部従業員に対し、業務状況を追跡するソフトウエアを導入すると通知した。ロイターが確認した社内通話の録音と関連資料によると、ブラウザの利用時間や社内チャット、会議アプリの使用状況などを計測する仕組みで、職場におけるプライバシー確保や同意のあり方に疑問が投じられている。
同行は声明で、こうしたツールの導入は業界で一般的だと説明。「業務状況の可視化と人員配置の最適化を目的とした自動化ソリューションであり、人工知能(AI)ではない」と主張し、利用目的や範囲について従業員へ周知し、プライバシー保護の措置も講じているとした。
導入されるのは英アクティブオプスが手がける業務管理ソフト「ウォーキQ」で、業務時間の適切な配分やボトルネックの発見が狙い。チーム向け説明では、会議中の会話内容は取得せず、会議参加などの活動状況のみが把握されるほか、表計算ソフトのエクセル利用は記録されるが作業内容までは追跡しないとされた。
同行は、リモートやハイブリッド勤務の拡大で低下した業務の透明性を管理職が把握するのを補完する目的があるとしている。また休憩時間中のインターネット利用や日々の「未計上時間」の許容範囲などについては、今後基準を定めるとしている。
一方、説明会では従業員から追跡の範囲やデータの使途、同意の必要性、評価への影響などについて懸念の声が上がった。業務監視ではなく、手作業の負担削減に資源を充てるべきではないかといった意見も聞かれた。
企業による従業員監視ツールを巡っては各社で反発が強まっており、米JPモルガン・チェースやメタ・プラットフォームズでも同じような取り組みが議論を呼んでいる。