初めてマイケルに会った時のことは今でも鮮明に覚えている。ジャーメインと話していたら、マイケルが満面の笑みでこっちに向かって歩いてきているのが見えた。アルバム『オフ・ザ・ウォール』のリリース直後の時期だった。
ジャーメインが「友達のグレアムだよ」と私を紹介すると、マイケルは笑顔で私の目を見つめて、「グレアム、知ってる?」と言った。
「何を?」と聞くと、私の肩をタッチして「君が鬼だよ」と言って走り去った。混乱して「追いかけたほうがいい?」とジャーメインに聞いたら、「いや、いつものマイケルだから大丈夫」と笑っていた。
そうして私は公園で一緒に時間を過ごすうちに、ジャーメインやほかの兄弟たちと親しくなった。しばらくすると自然に連絡が途絶えて、長い間ジャクソン一家に会うことはなかった。
2009年6月にマイケルが亡くなり、10月に映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のプレミアに行ったら、ジャーメインの姿を見かけた。
娘に「話しかけに行きなよ」と言われたが、彼は弟を失ったばかりだし、そもそも私のことを覚えていないだろうと思った。15分後、肩をたたかれて振り返るとジャーメインだった。「ガソリンスタンドからアカデミー賞受賞(『ディパーテッド』)まで君のキャリアを追っていたよ」
次のページ