先週開幕したサッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会期間中に、エボラウイルスに感染した旅行者が米国に到着するリスクは低いもののゼロではなく、もしそうした事態になっても米国の病院は対応の準備ができている――。複数の米国の感染症専門家はこう話している。

以前は受け入れ態勢が整っていなかった。2014年に西アフリカ地域でエボラ出血熱の感染拡大が起きた際には、リベリア人のトーマス・エリック・ダンカン氏がエボラの症状を呈して米南部テキサス州ダラスの病院を訪れたが、入院が許可される前に一度追い返された。その際に2人の看護師が感染したが、一命を取り留めている。

この教訓を踏まえて米連邦政府はエボラへの備えとしての訓練や対応能力の向上のために2億6000万ドルの資金を投入し、13の専門治療センターが設置された。これらは全て病院がエボラ出血熱の疑いがある患者を特定して隔離し、安全に治療できるようにすることを目的としている。

米国にある11のW杯開催都市の1つ、南部ジョージア州アトランタのエモリー大学の重症感染症専門家、ギャビン・ハリス博士は「感染を100%防ぐことはできないが、間違いなく、これまでで最も準備が整った状態にある」と言い切った。

米国、メキシコ、カナダ3カ国で計104試合が行われる39日間のW杯期間中、650万人のサポーターらが北米を移動することから、米国の開催都市の公衆衛生当局や病院はさまざまな感染症の脅威に備えてきた。

W杯期間でエボラ以上に脅威なのは