[8日 ロイター] - 米金融大手シティは8日、金価格の短期目標を従来の1オンス=4300ドルから4000ドルに引き下げたと明らかにした。ホルムズ海峡を巡る膠着状態とエネルギー価格の高止まりを背景に、米国の金利が年内に上昇するとの見方が理由。現物需要の強さが続かなければ、足元の金相場の堅調さを維持するのは難しいとも指摘した。

8日の金価格は米東部夏時間午前11時30分(日本時間9日午前0時30分)時点で1オンス=4330ドル付近で横ばい。一時は3月23日以来の安値を付けた。5日に発表された5月の米雇用統計が予想を上回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)による12月の利上げ観測が強まったほか、イスラエルとイランが新たな攻撃の応酬に踏み切ったことで原油価格が上昇し、インフレ懸念が広がった。

シティの試算によると、現在の価格水準を維持するには、年間約9000億ドルの金現物購入が必要となる。2010─24年の一般的な購入額は、現在のドルの価値で年間2500億─4000億ドルだった。

同行は、ホルムズ海峡の閉鎖が夏の終わりまで続くシナリオでは、金購入が年間7000億─7500億ドル程度に減速する可能性があり、その場合、価格は9─10カ月前の3500ドル水準まで下落する可能性があると指摘した。

その上で「短期的なリスクの偏りはネガティブに見える」とし、地政学リスクが再燃しないという強い確信がある場合にのみ、安値拾いの買いが理にかなうとの見方を示した。

金に対する長期的な強気の見通しは維持したものの、広めのストップロス設定や長期的な投資期間を持たない投資家にとっては「短期的に極めてリスクが高い」と指摘した。

ホルムズ海峡を巡る情勢が沈静化すれば、金価格は最終的に反発すると予想し、基本シナリオでは第3・四半期に実現するとみている。6─12カ月先の価格目標は5000ドルで据え置いた。

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