Alistair Smout
[ロンドン 4日 ロイター] - スターマー英首相は4日、米実業家イーロン・マスク氏に対して英国政治への介入をやめるべきだと述べた。背景には、社会的な怒りと抗議活動を引き起こした殺人事件についてマスク氏が自身のプラットフォームに投稿した内容が、国内の緊張や対立を一段と助長したとみられることがある。
2025年に起きたこの事件を巡って、体を刺されて瀕死の状態だった18歳の少年に対して、彼から人種差別的な攻撃を受けたという加害者の虚偽の主張を信じた警察が手錠をかけた映像が今月初めに公開されたことをきっかけに、抗議デモや暴動まで発生した。
スターマー氏は、警察はこの事件への対応について深刻な問いに答える必要があるとの見方を示した一方で、2日夜に発生した暴力的で無秩序な抗議活動を非難し、緊張を煽るために死を利用することは「許されない」と強調した。
その上で記者団に「マスク氏はここ数日、再びわが国の政治に介入し、分裂を煽ろうとしている。それはわれわれ英国人の姿ではない」と語った。
マスク氏が所有するXは、スターマー氏の発言に関するコメント要請に応じていない。
同氏はこの事件についてのXへの投稿で、英警察が白人に対して偏見を持っていることを示唆し、事件の対応を批判する他のユーザーのコメントをリポストした。
例えば3日の投稿には「西側諸国は『人種差別』の告発が、レイプや殺人よりも重大な罪とされる、全くもって邪悪な国家宗教を作り上げてしまった」と記されている。
マスク氏は以前からスターマー氏に批判的で、25年1月にもスターマー氏が08年から13年まで検察庁長官を務めていた際、少女を性的虐待していた主に南アジア系を背景に持つ男性グループの訴追を怠ったと非難していた。