[ウィーン 4日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は4日、イランの核計画に関する報告書を加盟国に送付した。米国とイスラエルが2月末にイラン攻撃を始めて以降で初の報告書となったが、攻撃前の前回報告書から内容に大きな変化はなかった。

IAEAは報告書で、約1年前の米・イスラエルによる主要核施設への空爆以降、行方が分からなくなっている濃縮ウラン備蓄について、イラン政府に説明するよう改めて求めた。

トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は、2月末に攻撃を開始した際、イランの核計画破壊を主な目的の一つとして繰り返し挙げていた。イランの濃縮ウラン備蓄は、戦争終結に向けた米・イラン交渉の大きな障害となっており、トランプ氏はイランに対し放棄を要求している。

報告書は、来週のIAEA理事会の四半期会合を前に出された2本の報告書のうちの1本。

報告書によると、IAEAのグロッシ事務局長はイランに対し、「核拡散防止条約(NPT)保障措置協定を効果的に履行することが不可欠かつ急務であり、イランはいかなる状況下でもその履行を停止することはできない」と強調した。

IAEAは、昨年6月にイスラエルと米国が爆撃した核施設への立ち入りを再開できていない。低濃縮ウラン(LEU)と高濃縮ウラン(HEU)の備蓄、特に兵器級とされる約90%の純度に近い60%まで濃縮されたウランについて、イランからIAEAに行方が伝えられていない。

報告書は「HEUとLEUに関する従来からの申告内容を検証するためのアクセスが約1年にわたり得られていないことは、標準的な保障措置の手続きに照らせば大幅な遅延であり、核拡散の懸念およびNPT保障措置協定の順守の問題に当たる」と指摘した。

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