Kate Abnett

[ブリュッセル 2日 ロイター] - 世界気象機関(WMO)は2日、今年はエルニーニョ現象が発生する確率が高まっており、世界各地で異常気象が引き起こされる見通しだと発表した。気候変動の影響も相まって、影響は特に深刻化すると科学者は指摘している。

WMOによると、6月から8月にかけてエルニーニョ現象が発生する確率は80%、少なくとも11月まで持続する確率は90%だ。

エルニーニョ現象は2―7年ごとに自然に発生するもので、貿易風が弱まることで太平洋東部の海水温が上昇する。その結果、世界的に気温上昇や降雨の乱れが起きやすくなり、ある地域では干ばつ、別の地域では大雨といった現象につながる。ハリケーンの発生状況にも影響が出る。

二つの点から、今年の予測は特に懸念される。

一つ目は、今年のエルニーニョ現象とその影響が、通常よりも強くなる可能性だ。WMOは、不確実性が残っており、「強いエルニーニョ」を示す予測モデルと、そうではないモデルに分かれていると説明した。「強いエルニーニョ」は、太平洋東部の海面水温が平年より少なくとも1.5度高くなることと定義されている。

二つ目の懸念材料は気候変動だ。

地球の平均気温は産業革命前から約1.3度上昇している。このことがエルニーニョの影響に拍車をかけ、さらなる気温の急上昇や、より激しい干ばつ、熱波、大雨を招き、結果として森林火災、洪水、凶作などの災害を引き起こし得る。

WMOは、気候変動とエルニーニョの組み合わせにより、2027年は観測史上最も暑い年になる可能性があると警告した。これまでの最高記録は、直近にエルニーニョが発生した2024年だ。同年のエルニーニョはWMOによって「強い」と認定された。

<リスクは巨大>

一般的に、エルニーニョが発生すると南米南部や中央アジアの一部などでは雨が多くなる一方、中米やオーストラリアは乾燥する。太平洋から遠く離れた欧州などの地域でも熱波が激化する。

こうした現象は、食料生産、産業、人命に壊滅的な結果をもたらす恐れもある。

リオグランデ・ド・スル大学・天候センターのフランシスコ・アキーノ所長は「気候変動がすでにもたらしている影響の上にエルニーニョが重なると、リスクは巨大になる」と語った。

アフリカ南部でも、気候変動がエルニーニョの影響を増大させ、雨季の降水量減少、水力発電の制限、作物の収穫量減少につながる。

イタリアのユーロ地中海気候変動センター(CMCC)所長であるアントニオ・ナバラ氏は、太平洋で熱帯低気圧が強力化する可能性も指摘。「太平洋の水温が大幅に上昇するため、熱帯低気圧が形成されやすい環境が整う。エルニーニョによってシステム全体に莫大なエネルギーが注入されるため、全てがより激しくなるだろう」と述べた。

一部の科学者は、今年のエルニーニョがもたらす破壊は、約5年後にはエルニーニョが発生しない年でも常態化する異常気象の前触れ、すなわち「未来をのぞく窓」になる可能性を指摘している。

英インペリアル・カレッジの研究員、セオドア・キーピング氏は、より温暖化が進んだ未来における、エルニーニョの影響がない年の「天候サンプルを見られるようなものだ」と語った。

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