Ritsuko Shimizu

[東京 28日 ロイター] - 富士通は28日、フィジカルAI(人工知能)などテクノロジーによる事業創出に今後10年間で3兆円規模の投資枠を設けると発表した。研究開発や先端人材獲得、資本業務提携、M&A(合併・買収)を実施し、従来型のITサービスからの事業モデル転換を加速させる。これにより、新たな事業創出領域30兆円のうち、10%(3兆円)のビジネス獲得を目指す。

時田隆仁社長は中長期経営ビジョン発表会見で「企業の競争優位性は経営資源の規模ではなく、いかに最新のAI技術を経営に取り込んでいけるかで差が生じる」と指摘。 「2035年度までの10年間をテクノロジードリブン(テクノロジー主導)で価値を創造していく期間であることを明確に定めた」とし、現在提供しているビジネスについて「全てにAIを組み込んで強化し、事業を拡大していく」と述べた。

AIの活用を前提とした人材のポートフォリオの最適化を進めるほか、AIを前提とする業務プロセスへのシフトにより生産性を向上させる。

数値目標として、25年度に3兆5029億円だった売上収益は35年度にかけて年平均成長率6―9%を目指す。持続的な生産性向上により、調整後営業利益率は35年度に25―30%(25年度11.2%)に引き上げる。コアフリーキャッシュフローは25年度の2899億円の4―5倍を目指す。EPS(1株当たり調整後営業利益)は年平均15%超の伸び、ROE(自己資本利益率)は20%超(25年度は15.8%)とした。

株主還元は、総還元性向60%を目安とする。利益成長に合わせた安定的な増配を継続するほか、資本効率改善を意識して機動的に自社株買いを実施する。

時田社長は、ソフトバンクの国産AI開発の新会社に対して、出資を検討していることを明らかにした。「国産AIのモデルを持つ意義は感じている。重要なこと」と述べた。

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