Greg Torode Jun Yuan Yong

[シンガポール 28日 ロイター] - ロンドンに本拠を置く国際戦略研究所(IISS)は28日、米中間で台湾を巡る紛争が発生した場合、双方の軍が相手の指揮・通信拠点を標的とする大規模な作戦を展開する可能性が高く、核兵器の使用に発展するリスクがあると分析した。

今週末シンガポールで開催されるアジア最大の年次防衛会議、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)に先立ち、戦略評価報告書を公表。世界は「アジア太平洋を中心とする」新たな核軍拡競争の瀬戸際に立っていると指摘した。

IISSの報告書は「地域諸国や戦略的利害関係を持つ国々が核兵器を拡充する一方で、非核保有国は長距離通常攻撃能力の獲得を追求しており、いずれも戦略的安定を脅かしている」とした。

IISS主催のシャングリラ会合では、台湾問題に加え、イラン戦争や米国のアジア地域へのコミットメントを巡る不透明感が中心議題に浮上する見込みだ。

156ページにわたるIISSの報告書は、地域の軍事ドクトリンの変化と、台湾を巡る紛争がどのように展開し得るかを分析している。

報告書は「台湾が中国にとって戦略的に極めて重要であることを考えると、中国との紛争は核兵器の使用にまで発展するリスクを伴う」と指摘。

「現時点では、両国の軍が相手方の重要な指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察(C4ISR)拠点を互いに標的にすることを防止するために必要なガードレール(安全基準)、あるいはそのような行動を制限する交戦規定を理解していることを示す、公開された証拠はほとんどない」としている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。