30代の時に乳管がんおよび小葉がんと診断された乳がん外科医のリズ・オライオルダンは、検査技術の向上だけで若年層のがん増加を説明することはできないと断言する。

オライオルダンは、その根拠として英国がん研究所とインペリアル・カレッジ・ロンドンによる新しい研究に言及した。それによると、若年成人においていくつかの種類のがんの発症率が上昇している一方で、喫煙、飲酒、不健康な食事、運動不足など、一般的に知られている生活習慣上のリスク要因のほとんどは、診断を受ける前から横ばい、あるいは減少傾向にあったという。

研究者らが重要な要因として特定したのは、肥満だ。1995年以降一貫して増加しており、特に若い女性で増加幅が大きい。ランドーも、肥満はエストロゲンの増加と関連しており、エストロゲンの増加は乳がんと関連している可能性があると指摘している。

それでも同研究は、BMI(体格指数)の上昇だけでこの増加を説明するには不十分であると結論づけている。

「この年齢層は一般的に、お酒を飲む量が減り、体を動かす機会が増えている。その一方で、過体重の女性の割合は着実に上昇しており、これがリスク要因となっている」とオライオルダンは言う。「それでも、私たちはまだ決定的な答えを手にしていない」

明確な答えがないことは不安を招くかもしれない。しかし、状況が全面的に悲観的というわけではない。米国立がん研究所(NCI)によると、診断率は急増しているものの、がん死亡率は低下を続けている。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 米中の興亡
2026年5月26日号(5月19日発売)は「米中の興亡」特集。

首脳会談で合意した「建設的戦略安定関係」で優位に立つのは、アメリカか、中国か

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます