Takahiko Wada
[福岡市 21日 ロイター] - 日銀の小枝淳子審議委員は21日午後、福岡県金融経済懇談会後の記者会見で、現時点では景気後退リスクより物価上昇リスクが大きいとの認識を示し、次回会合までに経済・物価の変化をみて政策判断していく考えを示した。
市場では6月の金融政策決定会合での利上げ観測が高まっている。
小枝委員は、原油価格の高騰がすでにBtoB(企業間取引)に波及しているが、BtoC(企業対消費者間取引)への波及の「スピードとマグニチュードを緊張感を持って見ている」と述べた。中東情勢で基調物価が2%を超える可能性があり、以前より物価高対応の必要性が増しているとの認識を示した。そのうえで、「次回会合までまだ時間がある」とし、経済・物価の今後の変化もきちんとみて政策判断していきたいと話した。
利上げペースは「物価と経済の状況、金融環境の状況に応じてということに尽きる」と述べるにとどめた。現在の政策金利は0.75%だが、中立金利の下限は「1%よりは上」との見方を示した。
足元の長期金利上昇の背景の1つとして、市場では日銀の金融政策がビハインド・ザ・カーブに陥ることによる物価の上振れ懸念が挙げられているが、小枝委員は「ビハインド・ザ・カーブにならないように、経済・物価の状況を確認しつつ金融市場調節方針を決定していくことに日本銀行はコミットしている」と述べた。
小枝委員は4月の決定会合では政策金利の据え置きに賛成した。賛成した理由として、消費者物価の前年比が2%を割り込む中で、まだBtoCへの波及を見ていく段階にあったことや、中東情勢の帰すう次第で見通しのシナリオが大きく変わり得るという不確実性が高かったことを挙げた。