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[ブリュッセル 21日 ロイター] - ドイツのメルツ首相は、ウクライナについて、欧州連合(EU)加盟に向けた過渡的な措置として、EUの会議に参加できるが投票権は持たない「準加盟国」という新たな地位を付与することを提案した。EU首脳宛ての書簡で分かった。

ウクライナは2022年、ロシアの侵攻開始直後にEU加盟を申請し、加盟候補国となったが、加盟するには、人権や法の支配などに関しさまざまな条件をクリアする必要があり、全加盟国の同意を必要とする。米国、ウクライナ、EU間で協議されたロシアとの20項目の和平案では、戦闘終結後の経済復興につなげるための措置として、ウクライナの27年のEU加盟が盛り込まれたが、EU当局者の間では実現性が低いと見なされている。

メルツ氏は書簡で「私の提案は、戦争状態にあるというウクライナの特殊な状況を反映したものだ。交渉による和平解決の一環として、現在進行中の和平協議を促進する一助となるだろう」と説明。「これはウクライナだけでなく、欧州大陸全体の安全保障にとっても不可欠だ」とした。

メルツ氏の構想では、ウクライナが、新たに設ける準加盟国になった場合、欧州委員会に投票権のない准委員、欧州議会に投票権のない代表を送り込むことができる。

ウクライナに対する安全の保証として、EUの集団安全保障の枠組みである相互援助条項を適用するという「政治的コミットメント」を行うことを提案した。一方で、ウクライナが法の支配の基準や加盟手続きにおいて後退した場合に備え、スナップバック(特例措置の撤廃)メカニズムやサンセット(時限)条項を設けることができると記した。

この提案は他の加盟候補国に影響を与えることはないとし、他の加盟候補国については、EUが「革新的な解決策を検討する」よう提案した。

メルツ氏は、自身の構想について欧州の他の首脳らと協議する計画だと述べ、「私の目標は、早期に合意に達し、詳細を詰めるための専門のタスクフォースを立ち上げることだ」とした。

EU加盟への明確な道筋は、ウクライナのゼレンスキー大統領が国民に和平合意を受け入れさせる上で不可欠と専門家は指摘する。特に、ウクライナが全領土を回復できなかったり、北大西洋条約機構(NATO)に加盟できない場合、EU加盟は極めて重大な意味を持つ。

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