Francesco Canepa
[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、イラン情勢に伴い燃料コストが上昇する中、ECBが信頼性を維持するために利上げを行う可能性はあるものの、ユーロ圏で高インフレが定着する兆候は今のところほとんど見られないと述べた。
同氏はインタビューで、ユーロ圏は成長が鈍化しインフレ率が上昇する「悪化シナリオ」に向かっているとし、ECBは「信頼性を保つため」に利上げを余儀なくされる可能性があると述べた。
一方で、ガス価格はそれほど上昇しておらず、賃金上昇率は依然として鈍化しており、短期的なインフレ期待の上昇にもかかわらず、長期のインフレ期待は依然として2%にとどまっていると指摘。
「中期的な視点から見て重要なのは、二次的影響の明確な兆候やインフレ期待の不安定化が見られるかどうかだ」とし、「この2点を見ると、短期的なインフレ期待に多少の変動が見られるものの、中長期的なインフレ期待には大きな乖離は見られない」と述べた。
その上で、6月の政策決定はECBの新たな経済予測や、米国とイランの停戦の可能性に関する新たな展開も考慮に入れた上で行われるとした。
イラン情勢については、長期の紛争に発展してユーロ圏へのエネルギー供給をさらに阻害するか、あるいは停戦によって緊張が緩和され、ホルムズ海峡が再開されるかのどちらかになるとの見方を示した。
「確率を予想するとしたら、残念ながら長期にわたる紛争に備え、グリーンエネルギーへの移行に向けた取り組みの継続など、紛争の影響をどのように調整し緩和していくかを考える方が得策だ」と述べた。
一方、政府の財政的な余地が限られていることなどを踏まえると、過度に寛大な補助金で燃料需要を刺激することは避けるべきだと強調した。
北欧諸国やフランス、イベリア半島は原子力発電と再生可能エネルギーへの依存度が高いため、エネルギー価格高騰の影響がある程度緩和されるが、ドイツ、イタリア、中欧はより大きな打撃を受けるとも指摘。
「そのためエネルギー価格ショックの影響は明らかに大きく異なる」とし、「それは金融政策にも影響を与える」と述べた。