Nicole Jao

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国では今週末から25日のメモリアルデーまでの3連休に、数百万人が自動車で旅行する。イランとの戦争による継続的な供給寸断で高騰したガソリン価格が家計を圧迫しようとしており、例年になく出費の多い夏のドライブシーズンの幕開けとなる見通しだ。

米国のガソリン小売価格は、米国とイスラエルがイラン撃を開始した2月下旬以降、1ガロン当たり1.50ドル超(約45%)上昇。世界全体で消費される石油の約2割が通過するホルムズ海峡が事実上封鎖されたためで、ガソリンの原料となる原油価格も、多くの品目とともに跳ね上がっている。

ガソリン高騰にもかかわらず、全米自動車協会(AAA)のデータによると3連休中は過去最高の3910万人が車で、366万人が飛行機で目的地へ向かうと予想される。

ガスバディの石油分析責任者を務めるパトリック・デ・ハーン氏は「今年はここ数年で最も価格変動の激しい夏であり、その中心にあるのがホルムズ海峡の封鎖だ」と述べ、米国人はこの夏、目的地にたどり着くために数十億ドル余計に支払うことになり、海峡が再開した後もその影響は続くと予想した。価格が完全に回復するには1年以上かかる可能性がある。

こうした中で旅行者はこの夏、走行距離を短くする計画を立てており、長引くエネルギー価格の高騰が米国のドライバーに与える経済的負担を反映している。

ガスバディの最新調査では、この夏に2時間以上の運転を計画している米国人は、昨年の69%から56%に減少。コストが旅行における最大の検討事項となっており、67%がガソリン価格は運転計画に直接影響していると答え、36%がコスト上昇を理由に自動車旅行の回数を減らすと回答した。

ガソリン価格が過去4年間で最高水準にある中でも、ガソリン消費量は比較的堅調に推移している。しかしアナリストらは、夏の旅行シーズンが近づくにつれ、供給不足が現実味を帯びてくる可能性があると警告する。

みずほ証券のエネルギー先物担当ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「ガソリン在庫は14週連続、そしてイランとの戦争が始まってから毎週減少しており、夏のドライブシーズンの始まりであるメモリアルデーを、過去11年間の最低水準に近い状態で迎えることになる。ガソリンに関しては、深刻な事態に陥っている」と指摘した。

米エネルギー情報局(EIA)が20日に発表した先週の米ガソリン在庫は150万バレル減の2億1420万バレル。ロイターがまとめたアナリスト予想では210万バレル減だった。

中東情勢を巡る不透明感に加え、最近の製油所の停止、近づく大西洋のハリケーンシーズン、そして世界的な在庫の逼迫が、燃料コストにさらなる上昇圧力をかけることになる。

ガスバディが20日に発表した予測に基づくと、今年のメモリアルデーにおける全米平均のガソリン価格は昨年より1.48ドル高くなる見込み。もしホルムズ海峡の通航制限が夏の大部分で続けば、価格は1ガロン当たりあたり5ドルの大台を突破してもおかしくないという。

アゲイン・キャピタルのパートナー、ジョン・キルダフ氏は「世界的に在庫が猛烈な勢いで取り崩されており、原油だけでなく石油精製品に対する世界的な需要がここ(米国)に押し寄せていることを深刻に懸念しなければならない」と述べた。

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