Takaya Yamaguchi
[東京 21日 ロイター] - 財務省が21日発表した貿易統計速報によると、4月の貿易収支は3019億円の黒字となった。ホルムズ海峡の封鎖で原油輸入数量は1980年以降最大の減少幅だった。米国からの代替調達も進めたが、中東紛争に伴う影響を補いきれていない。
黒字は3カ月連続。ロイターが集計した民間機関の調査では、中央値で297億円の赤字になるとみられていた。公表された速報値は予想に反して黒字となった。
貿易収支のうち、輸出は、前年同月比14.8増の10兆5073億円だった。半導体電子部品や非鉄金属などの輸出が増えた。輸入も10兆2054億円と、全体では、対前年同月比でプラスを維持した。
ただ、原粗油輸入数量は前年同月比63.7%減の448万キロリットルとなり、減少幅は、比較可能な1980年以降で最大だった。これまでは1991年4月の54.6%減が最大だったという。
金額ベースでは49.9%減と、減少幅はコロナ禍の2020年11月以来(50.2%減)の水準だった。
地域別では、中東からの原油輸入数量が前年同月比67.2%減の384万キロリットルだった。これに対し、米国からの原油輸入は38.8%増え、同省では「代替調達の進展もうかがえる」(幹部)としている。
ただ、原油高が関連製品の価格に転嫁される動きもみられ、収支全体にどう影響するかは予断を許さない。
市場では「原油高(価格)を超えてナフサなどの石油関連製品の価格が上がっている。今後は貿易収支の赤字が膨らみやすい」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。