[メキシコ市 20日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・レーティングスは20日、メキシコの信用格付けを「Baa2」から「Baa3」に引き下げ、見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。財政基盤の弱まり優先課題の矛盾が政策の信頼性を損なっていると指摘した。

ムーディーズは「硬直的な」支出、「狭い」歳入基盤、国営石油会社ペメックスへの支援を挙げ、「24年に加速し、今後も続くと予想される財政力の継続的な弱体化」を指摘。「(メキシコの)財政ショックに対する脆弱性が高まった。特に、経済成長が短期的には抑制された状態が続き、2%前後のトレンド成長率への回帰はゆっくりとしたペースになる」と述べた。

メキシコ中央銀行は直近の四半期報告で、今年の経済成長率を1.6%、27年までに2%と予測した。政府は来年、最大2.9%の成長を見込んでいる。

ムーディーズは、メキシコ経済は、中南米でブラジルに次ぐ規模の大きさと多様性、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)による米国市場アクセスの優位性に引き続き支えられているとした。

一方、成長を制約する「構造的弱点」として、インフォーマル経済の規模の大きさ、エネルギーや水インフラのボトルネック、治安の悪さを挙げた。

「ペメックスへの継続的な支援は、財政再建を制約する要因となっているが、メキシコは財政リスクを増幅させるようなマクロ経済の不均衡には直面していない」とし、当局にはショックに対応して政策を調整する「実証済みの能力」があると指摘した。

メキシコ財務省は「メキシコは、8つの格付け機関で投資適格級の評価を維持している」と表明。今後も経済の安定と国民の福祉を向上させる政策を推進していくとした。

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