Emily Rose
[エルサレム 20日 ロイター] - イスラエル警察は20日、パレスチナ自治区ガザに向かう支援船団に乗船していた活動家らを後ろ手に縛り、列をなして地面に膝をつかせた。閣僚がその場を見守る動画が拡散し、各国首脳やイスラエル政府内部からも批判の声が上がった。
活動家らは19日、公海上でイスラエル軍に船団を拿捕(だほ)された後に拘束され、イスラエルの港に移送された。
トルコ南部から出航した同船団は、以前の活動もイスラエルによって阻止されていたが、戦争で荒廃したガザへ支援物資を届けるべく、再挑戦を試みていた。
イスラエルは、ガザに対する海上封鎖は合法だと主張している。
主催者によると、イタリアや韓国の市民を含む活動家430人が拘束された。警察による拘束後、極右のベングビール国家治安相が動画をXに投稿。女性活動家が「自由、自由、パレスチナ」と叫んだ後、警官に地面に押し付けられる様子などが映っている。
また、結束バンドで後ろ手に縛られた数十人の活動家が、屋外のイスラエル港湾施設とみられる場所で列をなしてひざまずく姿も映っている。背後には、長銃で武装した兵士が軍艦の上から周辺をパトロールしている姿が確認できる。
ベングビール氏は、大きなイスラエル国旗を掲げて活動家らの脇を歩きながら、「彼らは大物英雄として来た。今の彼らを見ろ。今どう見えるか。英雄でも何でもない」と映像内で語った。
ベングビール氏の対応を巡っては、イスラエル連立政権内からも強い批判を招いた。サール外相は映像をリツイートし、ベングビール氏がイスラエルに損害を与えていると非難した。
ネタニヤフ首相は、船団の拿捕自体はイスラエルの権利だと擁護したが、ベングビール氏による活動家の扱いは「イスラエルの価値観や規範に沿ったものではない」とし、活動家を可能な限り早期に国外退去させるよう指示したと述べた。
イタリアのメローニ首相は、ベングビール氏の船団活動家への対応は「容認できない」と述べた。イタリアは事前に、自国民が船団に乗船しており、国会議員や記者も含まれていると明らかにしていた。
韓国の李在明大統領は、韓国国民もイスラエル海軍に拘束された人々の中に含まれていたと明らかにし、イスラエルの行動は「度を越えている」と批判した。
トルコは活動家らへの虐待だとして非難し、トルコ国民を含む活動家の迅速かつ安全な解放を確保するため他国と連携していると明らかにした。
フランス、カナダ、スペイン、ポルトガル、オランダの各国は、ガザ船団メンバーの扱いを巡り、自国に駐在するイスラエル大使を呼び、抗議した。
欧州委員会も、ガザ船団活動家の扱いは「全く容認できない」とした。
欧州委の報道官はXへの投稿で、「拘束された人は全て、安全と尊厳をもって、国際法に従って扱われなければならない」と指摘。「われわれはイスラエル政府に対し、EU市民数人を含むこれら活動家の保護と尊厳ある扱いを確保するよう求める」と述べた。