Alistair Smout
[ロンドン 20日 ロイター] - 英政府は20日、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国が加盟する湾岸協力会議(GCC)と、自由貿易協定(FTA)を締結することで最終合意したと発表した。長期的には約50億ドルの経済効果が期待されている。
英国のカイル・ビジネス貿易相は、イラン情勢を念頭に「不安定さが増している今、この合意発表は明確な信頼のシグナルを送ることになる。英国の輸出業者は将来の計画を立てるために必要な確実性を得られる」と強調した。
最終的な合意内容が貿易の自由化とサービス部門のコミットメントの両面で当初の予想を上回ったため、英政府によるとFTAの長期的価値は年間37億ポンド(49億6000万ドル)に上り、以前の見積もり(16億ポンド)の2倍以上になるという。
今回の合意を受け、英国製品に対してGCC側が課す関税の93%が撤廃される。協定発効から10年目までに5億8000万ポンド相当の関税が削減され、その3分の2の関税は協定発効と同時に撤廃される。
英政府は、自動車、航空宇宙、電子機器、飲食料品などの分野が恩恵を受けるとしており、穀物、チェダーチーズ、チョコレート、バターなどは関税がゼロになる。
この見返りとして英国もGCCに対する関税を引き下げる。ただGCC諸国の英国への主要な輸出項目の石油とガスは、既に無関税となっている。
サービス分野では、英国がGCCへの現在の市場アクセスを確保したことで、企業が新たな障壁に直面することなく事業を拡大できるようにした。一方で、GCC諸国もこの協定を通じて自国のサービス部門を成長させることが可能となる。
GCCの声明によると、アルブダイウィ事務局長が署名後、この協定は署名した7カ国(英国とGCC加盟6カ国)の企業、投資家、市民にとって「具体的かつ測定可能な」経済的利益を達成するために設計された枠組みを持っていると説明。協定が物品やサービスの貿易、金融サービス、デジタル貿易、投資保護、電気通信などの多岐にわたると付け加えた。
英政府は、協定が英国の環境基準やデータ保護基準を変更したり弱めたりするものではなく、人権に関する文言も含まれていないと述べた。