Liz Lee Ethan Wang
[北京 20日 ロイター] - 中国とロシアは20日の首脳会談で、トランプ米大統領のミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」構想や、米政府の「無責任な」核政策を非難した。中国の習近平国家主席はわずか1週間前に北京でトランプ氏を迎えたばかりだ。
ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は20日、北京で会談し、戦略的関係の深化を称賛した。習氏は人民大会堂で儀仗隊と礼砲でプーチン氏を歓迎、子どもたちが中ロ両国の国旗を振った。
ロシアと中国が首脳会談後に発表した共同声明は、習氏がトランプ氏との安定的で建設的な関係を模索する一方で、中国の立場がロシアと緊密に一致する主要な問題については、トランプ氏と根本的に異なることを浮き彫りにした。トランプ氏が掲げる「ゴールデンドーム」構想が戦略的安定を脅かしていると非難し、「これらの計画は、戦略的攻撃兵器と戦略的防衛兵器の相互連関を必要とする、戦略的安定を維持するという主要な原則と完全に矛盾している」と声明は指摘した。
ただ、中ロ首脳は安全保障問題については足並みを揃えたものの、ロシアから中国に天然ガスを供給する新パイプライン「シベリアの力2」については完全な合意には至らなかった。
ロシアのペスコフ大統領報道官は、「シベリアの力2」を巡り全体的な理解が得られたとしたものの、同プロジェクトの詳細や実施時期については今後の合意が必要になるとした。
プーチン氏の2025年9月の前回訪中時、ロシア国営天然ガス大手のガスプロムは、ロシアからモンゴルを経由して中国に年間500億立方メートルのガスを輸送する全長約2600キロのパイプライン「シベリアの力2」の計画を進めることで双方が合意したと発表した。
中国側はこのプロジェクトについて公にはほとんど言及しておらず、習氏は20日、エネルギーと資源の連結性における協力は中ロ関係の「安定の要」となるべきだとしつつ、パイプラインについては言及しなかった。
<相次ぐ首脳外交>
習主席がわずか1週間のうちに、中国にとって最も強力な戦略的ライバルと、最も緊密なパートナー国の指導者と相次いで会談したことは、注目すべき外交活動だといえる。トランプ氏が対イラン戦争の出口を模索し、プーチン氏によるウクライナ侵攻が膠着状態にある中、相次ぐ首脳会談は習氏にとって、中国が世界の安定の柱であり外交上の主要なプレーヤーであることを示す機会となった。
ブルッキングス研究所の外交政策シニアフェロー、パトリシア・キム氏は「習氏はプーチン氏とトランプ氏の双方に対してより強い立場にあるように見える。両首脳はいずれも自ら招いた紛争に苦慮しており、その解決は当初の見込みよりはるかに困難であることが明らかになっている」と指摘。
「一方、習氏は中国国内の強化にこれまで以上に注力すると同時に、国際舞台において安定した自信に満ちた大国のイメージを打ち出すことができている」と述べた。