David Lawder

[パリ 19日 ロイター] - ベセント米財務長官は19日、11月に期限を迎える中国との関税・重要鉱物に関する貿易休戦について、年内の会合で延長する時間があるため「急いでいない」との認識を示した。

ベセント氏はパリで開催された主要7カ国(G7)財務相会合の合間にロイターのインタビューに応じ、関税を巡る休戦について「延長を急いでいない。状況は安定している」と語った。

また、重要鉱物の供給に関する中国側の合意履行に関しては「満足できる水準だが、素晴らしいとは言えない」とし、再び協議を実施する意向を示した。

さらにベセント氏は、中国は新たな通商法301条に基づく関税によって以前の米国の関税率が復活することを受け入れると考えているとしつつ、以前の水準を上回らないことが条件だと説明。トランプ大統領が発動した広範な関税を米連邦最高裁が無効とする判決を下したことで、中国はここ数カ月、低い関税率の恩恵を受けてきたとの見方を示した。

ベセント氏は、中国の北京で先週行われた米中首脳会談に同行した。

中国の習近平国家主席は9月にホワイトハウスでトランプ大統領と会談するため訪米する見通し。ベセント氏は首脳会談に先立ち、中国の何立峰副首相と会い、貿易問題のさらなる詳細を詰めると述べた。トランプ氏と習氏は11月に中国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や、12月にフロリダで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議でも会談する可能性がある。

昨年、数カ月にわたる交渉の末に成立した米中間の休戦合意により、世界二大経済大国の貿易が全面的に崩壊する事態は回避された。トランプ氏が中国製品に新たな関税を課したことで中国側の報復と対立の激化を招き、関税率は3桁台にまで跳ね上がっていた。合意により中国製品への追加関税は約20%まで引き下げられた。これに加え、トランプ氏の1期目に多くの中国工業製品に課された約25%の関税も維持されている。追加関税は、7月に期限を迎える一時的な関税措置により現在は10%となっている。

ベセント氏は、先週の首脳会談で合意された中国によるボーイング機200機の発注と米農産物の年間170億ドル購入は、11月の貿易休戦とは別のものと位置付けられていると述べた。

ベセント氏は、最も重要な成果は中国との二国間管理貿易、投資、人工知能(AI)に関する枠組みの確立だと述べ、これらは今後の交渉で協議されるとした。

両国はまず約300億ドル規模の非戦略的物品について、関税を引き下げるか撤廃するかを決定する。

ベセント氏は「数字を決めることになる。私の感覚では最初の数字は300億ドル規模になり、双方がその枠を埋めようとするだろう」と述べ、米国の農産物販売はこの総額に含まれないとした。

中国は米国のエネルギー製品や医療機器への関税を引き下げる可能性がある一方、米国は花火やハロウィーンの衣装など、米国内で再び生産されることのない中国製消費財への関税を引き下げる可能性が高いとした。

中国からの対米投資については、国家安全保障に抵触しない案件を特定し、米国が受け入れる準備ができていない投資を未然に防ぐことに重点を置くという。

ベセント氏はまた、米中当局者が今後4─8週間以内にAIの安全策について協議を開始する見通しだと述べた。この取り組みは、アンソロピックの「クロード・ミュトス」や中国ディープシークのツールなど、強力なAIモデルが非国家主体に拡散するのを阻止することを目的としているという。

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