Trevor Hunnicutt Jana Choukeir

[エアフォースワン機内/ドバイ 15日 ロイター] - トランプ米大統領が15日、2日間にわたる中国訪問を終えて帰国の途についた。トランプ氏は中国の習近平国家主席とホルムズ海峡の開放で合意したと述べた。一方、中国側は、対イラン戦争はそもそも起こすべきではなかったとの立場を示しており、習氏の発言からは、中国が戦争終結に向けてイランへの影響力を行使するかどうかについてはほとんど示唆しなかった。

トランプ氏は、帰国する大統領専用機内で、記者から、習氏がイランに圧力をかけてホルムズ海峡を再開させる確約をしたかどうかを問われた。これに対しトランプ氏は「私は何の恩恵も求めていない。恩恵を求めるなら、見返りに恩恵を与えなければならないからだ」「われわれはイランの軍隊をほぼ壊滅させた。あとは少し片付けをする必要があるかもしれない」と応じるにとどめた。また、イランは早期に合意に応じる必要があるとの認識を示した。

習氏もトランプ氏とのイランに関する協議についてコメントしなかった。一方、中国外務省はイラン戦争に対する不満を率直に表明する声明を発表。「決して起こるべきではなかったこの紛争は、継続する理由は何もない」と述べた。

イランは、米・イスラエルによる攻撃への報復として、ホルムズ海峡を事実上閉鎖し、世界のエネルギー供給に前例のない混乱を引き起こした。中国はイラン産原油の最大の買い手である。

トランプ氏は北京で習氏の隣に座り、「われわれはイランに核兵器を持たせたくない。海峡の開放を望んでいる」と述べた。

これに対しイランのアラグチ外相は、米国が協議継続の意思を示しているとのメッセージは受け取ったと表明。訪問中のニューデリーで記者団に「交渉の進展により、ホルムズ海峡の安全が完全に確保され、海峡を通じた交通の正常化を早めることができるよう、良い結論に達することを望んでいる」と述べ、米政府が真剣である場合に限り交渉に応じる考えを示した。その一方で、米国を「全く信頼していない」とも述べた。

核兵器開発の意図を否定するイランは、核開発計画の中止や濃縮ウランの引き渡しを拒否しており、トランプ氏はいら立ちを募らせている。

14日の両首脳の会談後、米ホワイトハウスは、習氏がイランによる海峡通行料徴収の試みに中国が反対する姿勢を明確にしたと発表した。

また、トランプ氏はFOXニュースの政治番組「ハニティー」で、習氏がイランに軍事装備を供与しないことも約束したと明らかにし、「これは重大な声明だ」と語った。

イラン産原油を購入する中国の石油精製所に対する米国の制裁について問われたトランプ氏は、機内で記者団に対し、「その件については話し合った。今後数日のうちに決定を下すつもりだ」と述べた。

この戦争は、11月の米中間選挙を前に、トランプ政権にとって重大な重しとなっている。

中国はイランへの武器供給計画に関する報道を「根拠のない中傷」として否定しているが、アナリストらは、イランが米国に対する戦略的均衡勢力としての価値を持つことを考えると、習氏がイランを強硬に追い込んだり、イラン軍への支援を打ち切ったりするとは考えにくいとみている。

パキスタンが仲介する戦争終結に向けた協議は、先週、イランと米国が互いの最新の提案を拒否して以来、中断されている。アラグチ外相は15日、中国からのいかなる提案も歓迎すると述べ、イラン側は外交手段を模索しているとした。

アラグチ氏は、イランは戦闘再開と外交的解決の両方に備えているとも表明。イランを攻撃している国と関係のない船舶はホルムズ海峡を通過できると改めて強調した。

実際、13日には中国の巨大タンカーのほか、日本関連の別のタンカーが海峡を通過した。

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