高齢運転者が起こす死亡事故は「他人を巻き込まない」事故
警視庁が公表している資料によれば、日本では2024年に2598件の交通死亡事故が起きているが、うち75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故は410件だという。つまり全体からすれば15%程度だ。
もちろん410人の命が失われたという事実は大きく、近親者を失った当事者からすれば看過できない問題だろう。まず、そのことだけは強調しておく。
しかし、それでも報道される際、「またしても」などと必要以上に強調されるべきだろうか。
免許保有者全体に占める75歳以上のドライバーの割合は9.7%なので、人数の割に多いことは間違いない。また、免許人口あたりでは75歳以上の高齢運転者による死亡事故は75歳未満の約2倍で、近年は増加傾向にあるというデータも示されてはいるようだ。
しかし、高齢運転者が起こしている死亡事故の多くは、他人を巻き込まない事故、すなわち自損事故だという。
「免許人口あたりで見ると、高齢運転者は死亡事故を発生させる確率が高い」といっても、それは「高齢者が他人をたくさん死なせている」という意味ではなく、自分自身が犠牲になっているケースが他の世代より多いということだ。
だから別にいいじゃないかと言いたいわけではありません。
多くの人たちが大手メディアの偏向報道によって抱かされている印象と事実にはこれほどまでに大きな乖離があるということを知っていただきたいのです。(21ページより)
なお、高齢者の運転の危険性に話題が及ぶと、しばしば「認知症」の問題が取り沙汰される。例えば、ブレーキとアクセルを踏み間違えて暴走事故を起こした場合、「認知症の症状が出たのではないか」というような話になりがちだったりするわけだ。