ある人はこう質問するかもしれない。宇海くんのように健康な人が「生活保護」を受けた後、施設に滞在している間、あるいはアパートに移った後、空いた時間にアルバイトをしてお金を稼ぐことはできるのだろうか。

答えは「できます」だ。ただし、1か月の間に稼いだ金額が1万5000円を超えた場合、超えた分はぜんぶ国に返さなければならない。

実は、宇海くんは令和7年12月に1日だけアルバイトに出て1万8000円を稼ぎ、3000円を区役所の福祉課に納め、領収書をもらったという。

私は宇海くんに将来のことをどう考えているか尋ねたところ、「アパートに住んでいる間に職業技能訓練校に入り、AIに関する知識や技術を学び、将来の就職や起業に備えたい」と答えてくれた。

『河川敷の『原住民』――令和ホームレスの実像』

 『河川敷の『原住民』――令和ホームレスの実像

  趙海成・著
  扶桑社新書

 

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[筆者]
趙 海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CEメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)、ニューズウィーク日本版ウェブサイト(2024~2025年)に連載『荒川河畔の原住民』などがある。

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