5月8日、回転寿司チェーン「スシロー」を展開するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>の株価が、前日比で一時13%も上昇し、上場来高値を更新しました。中国リスクへの警戒から売られていたものの、この日に発表された中間決算の内容を受けて、一気に買い直されたのです。

市場が恐れていた「中国失速」は本当に起きていたのか? 今回の決算は、スシロー株に対する投資家の見方そのものを変え始めています。

中国リスクに揺れたスシロー株

4月に6万円台に突入した日経平均株価は、5月に入ってからも史上最高値圏にあります。もっとも、その上昇を牽引しているのは半導体関連銘柄が中心で、日本株全体が強いわけではありません。

外食株では「中国リスク」が大きなテーマとなっていました。「スシロー」の中国出店を拡張しているFOOD & LIFE COMPANIES<3563>は、その代表的な存在です。

昨年以降、スシロー株は「中国で稼ぐグロース株」として大きく上昇してきました。中国をはじめとする海外出店と既存店売上の伸長が続き、高い収益性を維持しながら成長を続ける姿が評価されて、今年3月5日には上場来高値を更新する10,440円まで上昇していました。

ところが、その強気ムードが一変する出来事が起こります。中国店舗をめぐる異物混入疑惑がSNSで拡散され、株価は高値から19%安の8,452円まで急落。その後、中国当局の調査で安全性が確認されたことで、株価は一時的に持ち直しました。

◾️市場が恐れ始めた「中国失速」のシナリオ

ここまでは、突発的な材料による短期需給の歪みで起きる典型的なパターンです。しかし、市場は次第に別の不安を意識し始めます。それは、中国景気の減速です。

中国では不動産不況や消費マインドの悪化を背景に、外食業界でも価格競争が激化しています。そんな中、サイゼリヤ<7581>が、中国事業の鈍化やコスト増を背景に業績を下方修正。この「サイゼリヤショック」によって、「中国で稼ぐ外食株」というテーマそのものが揺らぎ始めたのです。

加えて、中国市場ではSNSによる情報拡散が消費行動に直結しやすい、という特徴があります。一度ネガティブ情報が広がれば、事実関係に関わらず来客数が落ち込むケースも少なくありません。

スシロー株についても、今回の下落が一時的なものに終わらず、「そもそもこの成長ストーリーは続くのか?」という評価見直しの段階に入っていたのです。

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市場を裏切った「強い決算」の中身とは
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