Jeffrey Dastin

[サンフランシスコ 14日 ロイター] - 米人工知能(AI)開発企業のアンソロピックとマイクロソフト(MS)共同創業者のビル・ゲイツ氏が設立した慈善団体「ゲイツ財団」は14日、医療と教育分野でのAI活用など公共財の支援に向け、4年間にわたり2億ドルを拠出すると発表した。

関係者がロイターに明らかにしたところによると、拠出額の半分はアンソロピックによる技術スタッフの派遣や、同社のAIアシスタント「クロード」の利用クレジットの提供が占める。ゲイツ財団は助成金の給付、プログラム設計、専門知識を提供する。

AIが雇用を奪い、不平等を拡大させるのではないかとの懸念が強まる中、両社は今回の提携を通じて、AIの恩恵をより多くの人に届けることを目指す。

ゲイツ財団のディレクター、ジャネット・チョウ氏によると、現在のAIシステムは数十のアフリカ言語の文章作成や翻訳の精度が低い。そのため両者は、業界全体のモデル改善に寄与するよう公開される、より精度の高いデータ収集とラベリングの支援を行う方針。

検討されているもう1つの分野は、AIがサハラ以南のアフリカやインドの教師のニーズにより適切に応じられるよう支援するいわゆる「ナレッジグラフ」の公開だ。

チョウ氏とアンソロピックのエリザベス・ケリー氏によると、医療分野における取り組みでは、これまで製薬企業にとって研究の商業的魅力が低かったヒトパピローマウイルス(HPV)や妊娠高血圧腎症の治療薬候補を予測する目的で研究センターがクロードを活用できるよう支援する。

米グーグルとアマゾン・ドット・コムから支援を受ける新興のアンソロピックは、AIやコーディングツールへの旺盛な需要により企業価値が急騰している。同社はケリー氏が表現した「人類に貢献する」という創業時の使命を果たすためにこの取り組みに注力する構えだ。

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