ドナルド・トランプ米大統領の中国訪問は、世界の二大超大国による首脳会談というより移動型のセールスショーのようにも見える。しかし、中国に米国を売り込むのは、米政権が考えるほど容易ではない。

理由の一つは、中国が自国市場を保護していることだ。トランプは、米国の対中貿易赤字の削減を狙った報復関税を課すなど、中国の習近平国家主席に市場開放を求めてきた。

だが、もう一つ大きな障害がある。中国がモノづくりで大きく先行しているのだ。コスト、工程、しばしばイノベーションでも米国を上回る。中国製品は価格面だけでなく、多くの場合、性能面でも競争力を持つようになった。

トランプは、おそらく車列の窓越しに現代中国の一端を見るにすぎない。急速に拡大する高速鉄道網や、ドローン、バッテリー、太陽光パネルの最先端技術、さらにはスマートフォン一つで生活全体を管理する便利なアプリ群を見ることはないだろう。

「中国には強固な産業基盤がある」。中国・杭州にある大手人型ロボットメーカー、ユニツリー・ロボティクスの本社で、マーケティングマネージャーのヨランダ・シエは本誌にこう語った。

「ユニツリーでは、関節モジュールやLiDAR(レーザー測距センサー)などの主要部品を自社で設計・開発・製造している。これによってロボットのコストを管理できるだけでなく、開発効率を高め、品質の高い製品の供給も保証できる。そして中国には非常に多くの人材がいる」

ユニツリーの人型ロボットはすでに米国でアマゾンを通じて1万8000ドル未満で販売されており、ロボット犬はさらに安価だ。

EVでもロボットでも中国勢先行
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