Stella Qiu Wayne Cole Alasdair Pal

[シドニー 13日 ロイター] - 豪政権は若者の住宅所有を支援するため今世紀最大規模の投資税制改革を実施するとともに、イラン戦争による影響を緩和するための生活費支援策を打ち出した。

チャーマーズ財務相は12日、今回の予算案を「(ここ数十年で最も)重要かつ野心的なもの」と位置付けた。昨年の選挙での圧勝により、世代間の不平等という政治的に扱いにくい問題に取り組むことが可能になったためだ。

記者会見で「論議を呼ぶ変更であることを認める。また、政府として12カ月前とは異なる見解に至ったことも認める」と表明。「われわれの考え方の主な変化は、住宅市場と税制の交錯によって多くの人々、特に若者が住宅市場に足を踏み入れる機会を奪われ続けることを許してはならないというものだ」と述べた。

その中心となるのは、資産に対するキャピタルゲイン税軽減措置や「(投資損失を課税所得から控除できる)ネガティブギアリング」を制限する提案だ。これらの政策は住宅所有の機会を高齢で富裕な投資家へと偏らせ、初めての住宅購入者から遠ざけているとして、かねてより批判されてきた。

しかし、17件の不動産を所有する投資家ジャック・ヘンダーソンさん(29)は、この変更は高度な税務計画を利用できない兼業投資家たちに不釣り合いな影響を与えると指摘。「オーストラリアの不動産投資家の80%以上を占める、1─2件の投資用物件を購入して何とか生活していこうとしている普通の個人投資家こそが影響を受けることになる。それは悲しいことだ」と語った。

アナリストらは、通常は慎重なアルバニージー首相にとって、異例の大胆な政策だと指摘。選挙の主導権が若い世代へと移行する中、首相2期目を象徴する政策となる可能性がある。

また、働く国民向けに250豪ドル(180.88ドル)の税額控除に加え、新たに1000豪ドルの即時税額控除が導入される。これは納税者に年間最大536豪ドルの節税効果をもたらすよう既に法制化された減税措置に上乗せされる。

格付け機関S&Pは予算案発表後のリポートで、新たな住宅税制は遡及適用されないため、住宅価格や家賃への影響は最小限にとどまると指摘した。

<財政赤字見通しは改善>

政府は、投資税制改革により今後4年間で35億豪ドル以上の歳出削減が見込まれ、その大半は後の方の年に集中するとした。

しかし、障害者福祉プログラムの抜本的な見直しによる巨額の歳出削減(今後4年間で350億豪ドル以上)や、イラン戦争に伴うコモディティー(商品)価格の上昇、インフレ高進による影響に比べれば小幅となる見込み。

全体として、今後4年間の財政赤字は450億豪ドル減少する見通し。

2025/26年度の財政赤字は283億豪ドルになると見込まれており、昨年12月に予想された368億豪ドルを下回る見通し。26/27年度には再びわずかに拡大し、315億豪ドルになると予測されている。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。