Miho Uranaka

[東京 12日 ロイター] - 米グーグルの親会社アルファベットは、初の円建て債発行を計画している。タームシートによると、3年債から40年債までの複数年限を検討しており、事情に詳しい関係者によれば、起債規模は数千億円規模となる可能性がある。AI(人工知能)向けインフラ投資の拡大を背景に、巨大テック企業の間では資金調達多様化を目的に海外債券市場を活用する動きが広がっており、円債市場への関心も高まっている。

起債の年限は3、5、7、10、15、20、30、40年を検討しているが、投資家需要や市場環境に応じて一部年限を取りやめる可能性がある。条件決定は早ければ15日、発行は21日を予定。

事情に詳しい関係者によると、これまでアルファベットは、米ドルやユーロに加え、英ポンド、スイスフラン、カナダドル建てでも大型起債を実施しており、今回の円債発行も資金調達の多様化の一環という。

円債市場では、地政学リスクや金利変動への警戒感が残るものの、投資家需要は底堅い。同関係者は、イラン情勢による混乱が続く中でも、投資家需要への大きな影響は確認されておらず、アルファベット以外でも年央にかけて海外企業による円債の起債パイプラインが拡大していると話す。

国内投資家に加え、海外投資家の市場への参画も増えるなど、日銀の金融政策正常化を背景とした円金利上昇により、円債市場の投資家層の多様化も、海外企業の円建て調達を後押しする要因になっているという。

一方、電子商取引大手アマゾンも、初のスイスフラン建て6本立て債券発行を準備していると、事情に詳しい関係者が12日、ロイターへ明らかにした。

こうした海外市場での起債は、AI向け設備投資の急増を背景に、米テクノロジー企業が激しい競争の中で米国外の投資家にも資金調達先を広げていることを浮き彫りにしている。

巨大テック企業によるAIインフラ向け設備投資は今年7000億ドルを超える見通しで、2025年の4100億ドルから大幅に増加する見込み。長年潤沢なキャッシュフローを活用してきた企業が、資金調達面で負債への依存を強める背景となっている。

アルファベットの第1四半期の設備投資額は前年同期比で倍増し、同社は今年の設備投資額が最大1900億ドルに達する可能性があるとしている。同社は今回の起債で、みずほ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーを起用している。

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