プーチンの安全が最優先の失敗国家
ロシアの独立系調査報道メディア「Important Stories」が欧州情報機関関係者の話として伝えたところによると、ロシア連邦警護庁(FSO)はプーチン周辺の警備を強化している。
CNNも引用した同報道によれば、政権エリート内の亀裂も深まっている。安全保障会議書記のセルゲイ・ショイグ前国防相は、「クーデターのリスク要因」と見なされている。
また治安機関内部では、昨年12月にウクライナ関連の攻撃でロシア軍参謀本部・作戦訓練総局長のファニル・サルバロフ中将が殺害された件を含め、ロシア軍幹部を守れなかった責任の押し付け合いも起きているとされる。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、昨年6月、ウクライナの大規模ドローン攻撃「スパイダーウェブ作戦」が北極圏を含むロシア本土深部の空軍基地まで及んだことも、プーチン周辺に衝撃を与えた。
同紙によれば、今年1月に米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を拘束したことも、クレムリンを震撼させたと伝えている。
FTによると、プーチンは公の場に出る機会を減らしており、対面する人物に対する検査や警備も強化されている。モスクワ近郊や北西部ヴァルダイの側近宅にも足を運ばなくなったという。
ウクライナ侵攻を批判してロシア連邦の指名手配リストに載っているシカゴ大学のロシア人経済学者コンスタンチン・ソニンは、プーチンは他国の首脳以上に危険というわけではないが、ロシアでは市民生活そのものが大統領の安全確保を最優先に組み立てられていると指摘した。
「プーチン政権では、意思決定の過程そのものが、指導者の安全を他の何より優先する形に変質している」とソニンは本誌に語った。「これは、ロシア国家システム全体の失敗を示している」