[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロなどの主要通貨に対し下落した。米国とイランの敵対的行動が再燃したにもかかわらず、トランプ米大統領が停戦は維持されていると述べたことを受け、戦闘の早期終結への慎重ながらも楽観的な見方が広がり、「有事のドル買い」が和らいだ。ドルは対円でも小幅安。最近の日本政府・日銀による為替介入のほか、当局の口先介入を受け、急激な円売りは抑制されている。
終盤の取引で、ドル/円は0.2%安の156.695円。
MUFJのグローバル市場調査責任者、デレク・ハルペニー氏は「ホルムズ海峡での米国とイランの衝突に関する報道で、原油価格が再び急騰するリスクが確実に高まった」とし、「これにより、日本政府・日銀によるドル/円の160円台突破を阻止しようとする取り組みが打撃を受ける恐れがある」と指摘。市場関係者は、マクロ経済やテクニカル的な環境が変化しない限り、政府・日銀の対応が試され続ける可能性が高いとの見方を示している。
米国とイランの戦闘停止に向けた協議を巡り、米国はイランが早ければ8日中にも最新の提案について回答するとの見通しを示した。ただ、イラン軍はこの日、オマーン湾でバルバドス船籍の石油タンカー「オーシャン・コイ」を拿捕(だほ)したと表明。米中央軍は米国による封鎖を突破しようとしたイラン船籍のタンカー2隻がオマーン湾にあるイランの港に入港する前に攻撃し、航行不能にしたと表明した。また、アラブ首長国連邦(UAE)はイランから弾道ミサイルと無人機が飛来したと明らかにした。
バリンジャー・グループ(ロンドン)の外国為替市場アナリスト、カイル・チャップマン氏は「米国はエスカレーションを回避すると強く示唆し、停戦を維持したい意向を示している」と指摘。市場では、脆弱ながらも停戦がおおむね維持されていることが市場心理の支えになっているとの見方が出ている。
この日発表の米経済指標では、労働省発表の4月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月から11万5000人増加し、伸びは市場予想を大きく上回った。失業率は4.3%と前月から横ばいとなり、労働市場の底堅さが示されたことで、米連邦準備理事会(FRB)は当面は金利を据え置くとの見方が強まった。
ただ、為替相場はほとんど反応しなかった。
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.4%安の97.877。ユーロ/ドルは0.5%高の1.17808ドル。
ドル/円 NY終値 156.65/156.69
始値 156.77
高値 156.82
安値 156.44
ユーロ/ドル NY終値 1.1784/1.1788
始値 1.1763
高値 1.1787
安値 1.1759