Maki Shiraki
[東京 8日 ロイター] - トヨタ自動車は8日、2027年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比22%減の3兆円となる見通しと発表した。ハイブリッド車(HV)などの販売好調を見込むものの、米国関税や中東情勢の緊迫化が響く。純利益予想は、IBESがまとめたアナリスト22人の予想平均値3兆9760億円を下回った。
売上高に当たる営業収益は日本企業として初めて50兆円台に乗せた前期から一段の伸びを見込むが、営業利益、純利益は3年連続の減益を予想する。就任後初めて決算会見に臨んだ近健太社長は、指標として重視する損益分岐台数について、「上昇傾向に歯止めがかかっていない」と説明。現状に関しては「成長投資は急ブレーキを踏むことなく、しっかりと続けていくことができる状態だ」と述べた。研究開発費は同5%増で過去最高の1兆6000億円、設備投資は同3.7%減の2兆3000億円を計画する。
営業収益は同0.6%増の51兆1000億円を見込む。高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタの今期の販売は同2万3000台増の1050万台、生産は同10万7000台増の1000万台を計画。HV販売は同約45万台増の507万台と初の500万台超えを目指す。
一方、営業利益は同20.3%減の3兆円を予想する。トランプ米政権の関税影響を前期と同額の1兆3800億円と見積もった。中東情勢の影響も計6700億円押し下げる。
宮崎洋一CFO(最高財務責任者)は、3期連続の減益予想は「中長期目線で進めるべき事業構造の変革や将来の種まきのスピードが遅いことが要因」と指摘。収益改善に向けて生産能力を増強するほか、部品が共通化できる車種再編を進める。ロボットなど自動車以外の事業も強化する。
中東の影響は、資材高騰が4000億円、物流混乱に伴う台数影響が2700億円それぞれ圧迫する。東崇徳経理本部長によると、このうち資材高の影響額は「3月中旬時点の資材価格のレベル感が1年続いた場合」を前提として算出。台数の具体的影響は明示しなかったが、「年間だいたい中東へ50万ー60万台輸出しており、その半分弱くらいが影響を受けるという前提で考えている」と話した。
円安で推移する為替は今期の営業利益を2350億円押し上げる。前提為替レートは1ドル=150円(前期は151円)、1ユーロ=180円(同175円)に設定した。トヨタの場合、1円動くと、営業利益が対ドルで約500億円、対ユーロで約100億円それぞれ変動する。
トヨタは通常、期が始まる前の1カ月の平均値を機械的に前提為替レートとして置くが、今期については「中東情勢等々、非常に変動の大きい1カ月だったので、6カ月に期間を延ばして平均値を出した」と東氏は説明した。
併せて発表した26年3月期の連結決算は、純利益が前年比19.2%減の3兆8480億円、営業利益が同21.5%減の3兆7662億円だった。トランプ政権の関税が利益を押し下げた。営業収益は同5.5%増の50兆6849億円と過去最高で、日本企業として初めて50兆円を超えた。
近社長は「大きな環境変化の中でこれだけ利益を上げられたのは、長い期間の積み重ね、多くのステークホルダーとの連携、協業による取り組みの結果だ」と前期決算を振り返った。