ソウル市鐘路区の広蔵市場
ソウル市鐘路区の広蔵市場(撮影=筆者)

庶民の台所が“ぼったくり市場”に

ソウル市は外国人相手のぼったくりに頭を悩ませている。まずは飲食店などの二重価格である。価格を上乗せした外国語メニューを用意するぼったくりで、市は2013年、150平米以上の飲食店を対象に、主要メニューと価格の店頭表示を義務付けた。

次に多いのが客によって値段を決めるぼったくりだ。ソウル市中区庁は2023年7月、明洞一帯を価格表示義務地域に指定し、商品やメニューの価格表示を義務付けた。価格表示は広蔵市場など区外の観光地にも広がったが、新たなぼったくりが現れた。

23年11月に広蔵市場を訪れた外国人とともに動画を撮影したユーチューバーが注文したチヂミは明らかに量が少なかった。ユーチューブで拡散し、商人会が営業停止を言い渡した。商人会はソウル市や鐘路区と協議して定価と定量表示を義務付けたが、庶民の台所を自認してきた広蔵市場はいまやぼったくり市場と認知されている。

タクシーのぼったくり

左がジャンボタクシー、右がそれを装ったコールバン
左がジャンボタクシー、右がそれを装ったコールバン(写真撮影=筆者)

またソウルのタクシーもぼったくりの代名詞となっている。代表的な手口に9人乗りのジャンボタクシーを装ったコールバンがある。大型荷物を運搬する貨物輸送車だが、車種や車体の色などジャンボタクシーに外装を似せたバンを使い、日本語や英語で客引きを行って外国人客に高額請求をするトラブルがたびたび起きている。ジャンボタクシーは車体に「JUMBO TAXI」、コールバンは「VAN」と表記しているが、韓国に慣れていない外国人は区別が難しい。

さらに走行時にメーターを使わないぼったくりもあり、ソウル市は2015年、3アウト制を導入した。摘発した運転手に過料を課し、2回目は過料に加えて30日の営業停止、3回目にはタクシー免許を取り消すといった内容で、メーターを使わないぼったくりは激減したが、不正な追加料金を上乗せするタクシーが現れた。呼び出し料や利用していない有料道路の通行料、域外割増などを加えるぼったくりで、内訳は領収書に記載されるが、韓国語がわからない外国人は申告できない。

タクシーのぼったくりをQRコードで通報しやすく
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