津波や避難先で命を落とさないために

それは、津波から逃げられた人が助かり、逃げ切れなかった人が命を落とした、という事実です。津波から逃げ切れたかどうか。それが生死を分けたことは間違いありません。

くり返しになりますが、津波は高エネルギーであり、巻き込まれたら命はありません。そのことを認識して、警報が出たら即避難。とにかく一刻も早く避難行動を起こし、逃げ切ることを心がけていただけたらと思います。

ただし、逃げても避難先で命を落としては元も子もありません。避難先で困らないように避難後のことを想定し、普段からすぐに逃げられる準備をしておくことが重要です。

東日本大震災で生き残った方の困りごととして、「入れ歯」と「メガネ」がなかったことが挙げられています。特に高齢者は入れ歯がないと食事を摂れなくなり、衰弱してしまいます。

これでは、せっかく津波から逃げても、避難先で命を落としたり、健康を著しく害したりしてしまいます。入れ歯やメガネはすぐに持ち出せる場所に置いておき、避難のときには持っていきましょう。

高木徹也(タカギテツヤ)
法医学者。1967年東京都生まれ。
杏林大学法医学教室准教授を経て、2016年4月から東北医科薬科大学の教授に就任。東京都監察医務院非常勤監察医、宮城県警察医会顧問などを兼任し、法医解剖施行数は6000件に迫る。『ガリレオ』『ヴォイス〜命なき者の声〜』『しあわせな結婚』など、法医学・医療監修を手掛けたドラマや映画は多数。
著書に『なぜ人は砂漠で溺死するのか?』(メディアファクトリー)『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)などがある。 

私たちはなぜ死ぬのか

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