Daniel Wiessner

[27日 ロイター] - アップルが、米国で初めて労働組合を結成した東部メリーランド州の直営店を閉鎖し、組合に加入している同店の従業員には報復措置として他店舗への異動を認めない措置を講じている――。国際機会工・航空宇宙産業労働者組合(IAM)が27日、米政府の独立行政機関の全米労働関係委員会(NLRB)に対して、こう主張して不当労働行為に当たるとの正式な申し立てを行った。

IAMによると、アップルは州内の別の2店舗閉鎖も表明しているが、組合非加盟のこれらの従業員は他店舗へ無条件での異動を許している一方、同州タウソンにある当該店舗については、空きポストに再応募して新たな応募者と競争してもらう、と通知した。

IAMのブライアント会長は「アップルは組合加入従業員に、他の従業員と同じ機会を提供するのを拒否し、その理由として労組結成への関与を挙げている」と主張した。

アップルは27日の声明で、タウソン店を対象とする労働協約では、同社が半径50マイル以内に新たな店舗を開設した際に従業員にそのポストに対する優先拒否権を与えることが定められているが、それ以外の場合は、店舗閉鎖に当たって従業員に退職金を支払うことのみが協約上の義務だと説明した。

またアップルは「われわれは申し立てに強い異議があり、労組と交渉の上で合意された協約を今後も守っていく」と付け加えた。

IAMの申し立てはNLRBの地域事務所職員によって調査され、結果的に不当労働行為と認定されればNLRBが和解に乗り出すか、正式な訴状を提出して行政法判事が審理することになる。さらに事案によっては、大統領が任命する5人の労働委員でつくる労働委員会が取り扱う可能性もある。

米国で約270の直営店を展開するアップルは、過去5年で全米規模の労組結成運動に直面してきたが、実際に結成までこぎ着けたのはこのタウソン店と、南部オクラホマ州の1店舗にとどまっている。

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