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[ロンドン 22日 ロイター] - 消費財、運輸、鉱業といったさまざまな業界からイラン情勢によるコスト増大や供給網の混乱、消費者心理悪化などで業績見通しに暗雲が立ち込めているとの声が出ている。

2月末の戦闘開始以前から既にトランプ米政権の関税、投入コストの高まり、需要低迷に見舞われていた各企業への重圧が、さらに大きくなっている様子がうかがえる。

一部企業は通期見通しを維持したものの、複数の経営幹部は、特に海上交通の要衝ホルムズ海峡が封鎖されていることに起因する輸送・原材料コストの増大に言及し、不透明感が急速に高まっていると警告した。

世界有数の塗料メーカー、オランダのアクゾノーベルは、価格転嫁と経費節減のおかげで業績は予想を上回ったとはいえ、中東の紛争が供給コストを押し上げていると指摘。グレゴワール・プーギョーム最高経営責任者(CEO)はロイターに、紛争の全面的な影響がこれから半年で顕在化してくるとの見方を示した。

投資家やエコノミストは、各企業が足元のショックを吸収できるか、あるいはエネルギーや輸送、地政学的情勢を巡る不確実性が長期化した場合に、さらなる値上げを迫られるか、業績見通しを据え置けるかといった点に注目している。

レイモンド・ジェームズのラリー・アダム最高投資責任者は「持続的なエネルギー高はさまざまなリスクを大幅に増大させる。第1・四半期業績は、イラン情勢の影響としてはわずか1カ月分しか反映されておらず、先行き見通しや経営陣の発言がとりわけ大事になっている」と述べた。

ファースト・アベニュー・インベストメント・カウンセルのブライアン・マデン最高投資責任者は「この紛争が長引くほど、価格決定力が低下して業績見通し(発表)を減らす企業が増える。そして価格決定力を持つ企業の間では、消費者や取引先に対する価格の引き上げが増えていくだろう」と予想している。

2月末の戦闘開始以降の企業発表をロイターが調査したところ、業績見通しを縮小・撤回したのは21社、値上げの示唆が32社、紛争が業績に打撃を与えると警告したのが31社だった。

スイスに本社を置く電子部品・接続ソリューションメーカー、TEコネクティビティーのテレンス・カーティンCEOはロイターに、戦闘長期化の場合、顧客に輸送費と石油製品値上がり分を転嫁する方針を明らかにした。

フランスの食品グループ、ダノンは第1・四半期売上高が予想を超えたが、昨年終盤からの販売ペースの急速な鈍化に触れて、その一因として紛争関連の供給網混乱を挙げている。

米エレベーターメーカーのオーティス・ワールドワイドは、新規設備の販売が関税や紛争に関連した出荷の遅れで痛手を受けたと述べた。

最も打撃の大きい業界の1つは旅行関係で、航空各社は燃料価格上昇のため値上げを強いられているほか、燃油サーチャージ導入や運航本数削減といった措置も講じている。

ユナイテッド航空は需要が圧迫される事態にも警鐘を鳴らし、21日に発表した第2・四半期と通期の利益見通しは市場予想を下回った。

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