[ワシントン 20日 ロイター] - 米商務省が21日発表した3月の小売売上高(季節調整済み)は、前月比1.7%増加し、伸びは2025年3月以来の大きさとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(1.4%増)も上回った。対イラン戦争に伴いガソリン価格が上昇しガソリンスタンドの売上高が増加したほか、税還付金が他の分野での消費を下支えしたことが背景にある。堅調な小売売上高はインフレデータとともに、連邦準備理事会(FRB)が当面金利を据え置くことを示唆する内容となった。

2月分は0.6%増から0.7%増に上方改定された。

3月の前年同月比は4.0%増だった。

米・イスラエルとイランとの紛争により、世界の原油価格は30%超急騰しており、米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、3月のガソリン小売価格は24.1%も上昇した。

メーカー各社のインセンティブ(販売奨励策)提供により自動車販売が増加したことも小売売上高全体を押し上げたとみられる。

エドワード・ジョーンズの投資戦略担当シニアエコノミスト、ジェームス・マッキャン氏は、「家計は今のところ底堅さを維持しており、物価上昇圧力に直面する中でも、税還付やより広範な貯蓄に支えられて消費を続けている可能性がある」と述べた。

ガソリンスタンドの売上高は15.5%増と、1992年の統計開始以来最大の伸びとなった。2月は1.3%増だった。スタンフォード大学の経済政策研究所(SIEPR)のエコノミストらは、戦争に起因する価格高騰により、米国民の26年のガソリン平均年間コストが857ドル押し上げられると試算した。

建材・園芸用品は0.7%、無店舗小売は1.0%、それぞれ増加。飲食料品、総合小売店、ヘルスケア・パーソナルケア店などの売上も増加した。一方、消費者は裁量的支出を控え慎重になっており、レストラン・飲食店は0.1%増と、2月の0.5%増から伸びが鈍化した。

自動車販売店の売上高は0.5%、家具店が2.2%、電子機器・家電は0.9%、それぞれ増加。スポーツ用品・趣味・楽器・書籍、衣料品店は横ばいだった。

自動車、ガソリン、建設資材、食品‌サー⁠ビスを除くコアの小売売上高は0.7%増。2月は0.5%増から0.6%増に上方改定された。

オックスフォード・エコノミクスのリードエコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は、「還付金シーズンの追い風はすぐに弱まり、エネルギーコストが高止まりする中で家計は裁量的支出を削減することになるだろう」と述べた。

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